2019年 04月 09日
ビッグ・クエスチョン スティーヴン・ホーキング |
20世紀の天才科学者ホーキングさんはご自身でも書いているように楽天家のようです。
原発に最後まで反対していたアイシュタインさんとは大きく異なります。
しかし、この違いは20世紀後半以降のテクノロジー絶対主義にあるのかもしれないと考えています。
ホーキングさんも現代の環境・技術・AIと人間の関係には多くの懸念を表明されていますが、この書では当然ながら、15世紀の建築家、錬金術師のように、リベラルアートやコモンセンスに触れることは全くありません。
今世紀初頭、アインシュタインが切り開いた時空間一体の宇宙論は、ホーキングによって不確定性原理や量子論とも結びつき、飛躍的に拡大されています。
そして今や、ビッグバーンやブラックホールも粒子加速器(LHC)や重力波干渉計(LIGO)によって実証的に観測されつつあり、youtubeは日に日にその情報を具体的に我々に伝えてくれています。
しかし、このような宇宙科学時代は地球環境問題や地上のエネルギー問題を棚上げしがちですが、この書の最終章でやっと、ホーキングさんはAI時代の人間の役割に触れ、AIの電源スイッチを引き抜くのは人間の問題、コンピューターにはプラグを引き抜くことはできない、と書いています。
そう、彼は楽天的科学者ではありますが、技術を超え人間の持つ想像力をこよなく大事されている方でもあったようです。
by leporello1
| 2019-04-09 21:03
| book
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