2019年 03月 15日
ウェールズ弦楽四重奏団 紀尾井ホール |
2008年ミュンヘンの国際コンクールで三位入賞、13年に帰国し今や国内でももっとも人気が高い弦楽カルテット。今日の紀尾井ホールはプラス三人のゲストを加えてのメタモルフォーゼン。早めにチケットを用意したつもりだが、バルコニー。しかし、ここはまさしく室内楽の殿堂、音響、観客のマナーがよく、どの席からもじっくり音と向き合え、大満足の2時間だった。
変容・変態・変奏がテーマとなるベートーヴェンとシュトラウス、そしてリゲテイ。リゲテイはまさしく現代。近代初期のシェーンベルクに比べ、その音楽から物語が読めるようだ。しかし、今日はやっぱり、ゲストを交えてのシュトラウスの弦楽七重奏。オペラ作品のほうが聞く機会が多いのだが、やはりシュトラウスは面白い。世紀末、ワーグナーから抜け出ようとしたシェーンベルグとシュトラウス、オペラに示されるある種のポピュラリティに拘り続けたシュトラウスは好みであり素晴らしい。
深い、広い、息詰まるような沈潜世界。七つの弦の各々はある時は繊細に絡まり合い、ある時は大胆に個々別々の世界を描いていく。多分、この演奏はここのところ体験したことのない音楽シーンだったようだ。
by leporello1
| 2019-03-15 23:05
| music
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