2017年 11月 17日
レクイエム アントニオ・タブッキ |
リスボンの街をさまよい、街ごとに出会う人々、それは悉く、すでにこの世にはいない恋人、友人、そして父親だが、その現実感ある関わりを集めた掌編集。
描かれるのは訪れる街ごとに異なる料理の数々と時の流れ。
人も場所も明解に描かれているのだが、しかし、あるのは言葉であって実体ではない。
タブッキの小説を幾つ読んできただろうか、その世界はどこまでが現実で、どこからが虚構か。
タブッキの幻想世界は時空間が確かなだけに、いつまでさまよっていても安心だ。
by leporello1
| 2017-11-17 08:42
| book
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