2017年 11月 15日
エルプフィルハーモニー |


パルテノン神殿の内陣のフリーズにはパンアテナイア祭の行列が彫刻されている。
祭礼の情景とは言え、BC4世紀の神殿に、神々ではなくリアルな市民の行列とは珍しい。
アテネの市民たちは毎年の春三月、神殿の建つパルテノンの丘を昇り、
神とともに歌い踊る祭礼の日を祝った。
エルプフィルハーモニーはドイツ・ハンブルクのエルベ川埠頭に建つ音楽ホール。
古い工業地帯を再開発したハーフェンシティのランドマークとして、
2017年1月にオープンした。
建築記事やYouTubeにアップされた幾つかの映像を見ると、
この音楽ホールはまさに古代ギリシャの劇場としてデザインされているようだ。
音楽の日、人々は着飾り、長いエレベーターに次々連なり昇っていく。
やがて、地中海沿岸の山上の僻村のような、うねうねと蛇行したホワイエに立つ。
そこからはもう、足元の水辺からは解放され、遠く各々が住まう街並みが望まれる。
その体験はアテネのパルテノン神殿であり、デルフィーの山上のギリシャ劇場に違いない。
ホワイエからさらに上階へと踏み込むと、
音楽ホールの形状はオルケストラを囲む円形劇場。
屋根はあるが、見上げる天井はまがう事なき、神々が飛翔する天空の姿。
https://m.youtube.com/watch?v=tEUv0364Xpk&feature=youtu.be
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by leporello1
| 2017-11-15 10:28
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