取り扱い注意

佐藤正午のストーリ展開は奇妙、しかし、読後はいつも、後味の良い何かを残す。多分、その面白みはストーリーを追うだけでは味わえない、さりとて、言葉の連なりや行間に特別な魅力がある訳ではない。「取り扱い注意」はモテモテのボクとニンフェットマニアのヨースケによる少女誘拐と現金強奪。コスモスの花壇を眺める台地でのスクランブルでは「関心があるのは自分の未来だけ？」。そして、物語は終わりから始まる、そうこの小説のすべてが「取り扱い注意」。
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