2018年 01月 17日
マネの「オランピア」ジョルジュ・バタイユ |
「ルネサンス以来のイリュージュナルな三次元絵画を現代における自律性を契機に二次元的平面絵画に戻したことにより、ヨーロッパの絵画は全世界に共通の絵画となった。」と書いたアンドレ・マルローの空想美術館が現在の最大の関心だが、その対象は世紀末のサロン落選美術展で物議を醸したマネの「草の上の昼食」にあった。
以来、気になった「マネ」をバタイユも書いていたことをネットで知り、今日慌てて雨の中、図書館に出かけ読んでみた。
その冒頭に「先人たちと断絶したマネ、彼はわれわれが生きている時代を切り開いた」とある。
その絵画は「草の上の昼食」の2年後の「オランピア」、この絵画こそスキャンダルの頂点と言われている作品だった。
そしてバタイユは「群集が爆笑した最初の傑作なのである」と書いている。
ここのところのアンドレ・マルローの空想美術館への関心は「近代建築」の読み直しにあったのだが、そうなんだ、あるはずの世界、あるべき世界から離反した20世紀の「建築」はあるがままの世界とどう関わってきたか、今後、どう関わろうとするかの始まりはやはり「マネ」にあったと考えて良いようだ。
by leporello1
| 2018-01-17 17:47
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