2017年 12月 20日
映画・希望のかなた |
ヨーロッパを席巻している難民問題は日本ではなかなか実感できないが、
この映画は必要なメッセージをシンプルで明解、爽やかに伝えている。
感情的に悲劇を描くのではなく、ミニマルな映像詩のようだ。
シリア人青年カリードはアレッポの空爆で両親と家を失い、ヨーロッパを目指す。
途中、ハンガリーで妹とはぐれるが、ヘルシンキに流れ着き、映画が始まる。
カリードの目的はこの街でどう生きるかではなく、妹を探し出し、
自分ではなく、彼女に未来を与えることにある。
そして、カリードは街の様々の人々と出会う。
離婚し、チェッカー・マラソン(アメリカのイエローキャブ)を乗り回すレストラン店主は終始、カリードをサポートする。
彼のレストランはまるで劇場のよう、その劇中劇を演じるかのような従業員はみな寡黙。
しかし、彼らは、喜劇俳優のように立ち働き、戸惑うカリードをかくまい続ける。
by leporello1
| 2017-12-20 17:04
| Movie work
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