2017年 12月 14日
モンローが死んだ日 小池真理子 |
軽井沢の診療所の医者とその周辺。大昔に読んだ記憶がある情景だが、今回はその30年後とも言える50代の医者と患者の話し。
しかし、孤独な人間同士の恋は年齢は関係ない。背景が精神医療に関わるだけに、軽井沢の四季と内面の揺れが微妙にシンクロし、読みごたえのある物語となっている。
後半は一転、消えた精神科医を探すサスペンスだが、その内容は映像化・視覚化が不可能な、奥行きの深さがある。「冬の伽藍」より読み手も30年、年をとったが、小池さんの描く世界もまた30年分、深いのではないだろうか。
by leporello1
| 2017-12-14 17:04
| book
|
Comments(0)