2017年 07月 31日
映画・イマジン |
「窓際のスパイ」は漫然とスマホばかりに囚われていると自分自身もフラットになると忠告しているかのようだ。<遅い馬>たち、スマホを捨てると俄然元気になり陰謀を暴いていく。 「イマジン」は視覚障害者はいかにビビッドに都市を体験はているかを描いている。つまりこのヒリヒリするような情報は発信者が生み出すのではなく受信者のイマジンということかもしれない。 リスボンはヨーロッパ中で最も西にある、唯一大西洋岸に面する歴史ある首都。映画は視覚障害者がこの大都市を白い杖を使わずに反響定位という方法で歩き回り自分自身の居場所を確定する。 リスボンはボクにとっても大好きな街、しかし、その都市体験は映画のなかの恋人たちのようにビビッドであったわけではない。 映画をみながら、自分自身の都市体験がいかにフラットであったかを感じさせられた。 映像はクラシックな佇まいを持つ美しい港街リスボン。一方、音響だけから街を眺めると、クルマに路面電車に鳥や風、波にモーターボートのエンジン音に、大型船に反響する教会の鐘音などなど。それは健常者の都市とはまったく別世界と言って良い。なぜなら、ボクの知る大都市は車の音のみ、しかし、映画の中の世界は靴音、つまり、共に住む人々のたくましい足音ばかりだ。 画面を飾る恋人同士は都市をどうイメージし、人々をどう眺めているのだろうか。 手にした解説には、ポーランドの新しい才能、アンジャイ・ヤキモフスキは美しい都市のシンフォニーを生み出している、と書かれていた。
by leporello1
| 2017-07-31 13:43
| Movie work
|
Comments(0)