2017年 06月 17日
マクロン政権に何が可能か |
教養のある中産階級の人々と自由主義的な経営者の間で新たな社会的同盟を結んだとしても、現在ダボス会議が支援するEUのグローバル市場を変えることが出来ない限り、結果として勝利したマクロン政権だが、多くを期待出来るものでは無いようだ。
ルペンを破り大人気のマクロン政権だが、大統領選直前のル・モンドの記事「繰り返される戦略投票の罠」(http://www.diplo.jp/articles17/1704-3lepiege.html)を読み暗然としている。
ファシズム化している安倍政権を変えることが出来ない我々だが、変革を迫られているEUを放置せざるを得ないヨーロッパもまた為す術を持たない。
後期資本主義、グローバル市場に非は無いのだが、今や、人間の疎外は中世の貴族社会と変わらない。
以下は(ル・モンド・ディプロマティーク2017年4月号)から抜粋
オランド氏はフランスの製鉄業を守ると約束していたが、フロランジュ[フランス北東部]にある工場の閉鎖を認めた。[公約では]欧州安定・成長協定について再交渉することになっていたが、大統領に就任した初日にそれを断念した。2013年の末までに「失業率を減少に転じさせる」と約束していたオランド氏だったが、その後3年間、失業率は上がり続けた。しかし、人々の心に「裏切られた」という感情がすぐに刻み込まれた理由は、2012年の彼の選挙キャンペーンを特徴づけ、それ以降誰もが何度も耳にした一つのフレーズにあるだろう。彼はこう言ったのだ。「私の唯一の敵は、金融界です」。ところが、オランド氏は大統領に選出されるとロスチャイルド銀行の元銀行員をエリゼ宮の顧問にすぐに抜擢し、その後、経済大臣のポストを彼に与えた。
堂々とした態度のマクロン氏は[オランド政権の]「反逆者」である。しかし、その不人気ぶりにおいて並ぶ者がいないオランド氏の後継者でもある。
マクロン氏に従うことは、オランド氏の場合よりもさらに大胆に、新自由主義的な進歩主義を目指す「第三の道」に突き進むことになるだろう。この「第三の道」は米国の民主党や欧州の社会民主主義[勢力]をその口車に乗せたものの、彼らを袋小路に陥れた。彼らは今、身動きができずにいる。
EUの国旗が所々に掲げられた集会において、マクロン氏が人々の集結に歓喜し、「企業収益の拡大によって[フランス経済を]再興する」と呼びかけ、「しかるべき求人」を二度断った後には失業手当を支払わないと約束している今、そうした彼の提案をカネと知識を支配する少数グループ —— 彼らこそが「ダボス会議派」を構成する —— の利益とどのように区別することができようか?
ルペンを破り大人気のマクロン政権だが、大統領選直前のル・モンドの記事「繰り返される戦略投票の罠」(http://www.diplo.jp/articles17/1704-3lepiege.html)を読み暗然としている。
ファシズム化している安倍政権を変えることが出来ない我々だが、変革を迫られているEUを放置せざるを得ないヨーロッパもまた為す術を持たない。
後期資本主義、グローバル市場に非は無いのだが、今や、人間の疎外は中世の貴族社会と変わらない。
以下は(ル・モンド・ディプロマティーク2017年4月号)から抜粋
オランド氏はフランスの製鉄業を守ると約束していたが、フロランジュ[フランス北東部]にある工場の閉鎖を認めた。[公約では]欧州安定・成長協定について再交渉することになっていたが、大統領に就任した初日にそれを断念した。2013年の末までに「失業率を減少に転じさせる」と約束していたオランド氏だったが、その後3年間、失業率は上がり続けた。しかし、人々の心に「裏切られた」という感情がすぐに刻み込まれた理由は、2012年の彼の選挙キャンペーンを特徴づけ、それ以降誰もが何度も耳にした一つのフレーズにあるだろう。彼はこう言ったのだ。「私の唯一の敵は、金融界です」。ところが、オランド氏は大統領に選出されるとロスチャイルド銀行の元銀行員をエリゼ宮の顧問にすぐに抜擢し、その後、経済大臣のポストを彼に与えた。
堂々とした態度のマクロン氏は[オランド政権の]「反逆者」である。しかし、その不人気ぶりにおいて並ぶ者がいないオランド氏の後継者でもある。
マクロン氏に従うことは、オランド氏の場合よりもさらに大胆に、新自由主義的な進歩主義を目指す「第三の道」に突き進むことになるだろう。この「第三の道」は米国の民主党や欧州の社会民主主義[勢力]をその口車に乗せたものの、彼らを袋小路に陥れた。彼らは今、身動きができずにいる。
EUの国旗が所々に掲げられた集会において、マクロン氏が人々の集結に歓喜し、「企業収益の拡大によって[フランス経済を]再興する」と呼びかけ、「しかるべき求人」を二度断った後には失業手当を支払わないと約束している今、そうした彼の提案をカネと知識を支配する少数グループ —— 彼らこそが「ダボス会議派」を構成する —— の利益とどのように区別することができようか?
by leporello1
| 2017-06-17 10:10
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