2017年 05月 21日
今朝の読む人 |
週末の朝刊はリラックスして読む楽しみがある。今朝の東京新聞、9面の「読む人」欄はそんなコラムで埋まっている。
同志社大 服部茂幸氏の「グローバル資本主義と<放逐>の論理ーサスキア・サッセン著。」の紹介。
格差拡大と中間階級の没落は今のアメリカも日本も中国も同じ。ケインズ時代のシステムの末端は包摂の空間、現在は放逐の空間。生産から遊離した金融は貧困層を放逐した。本書で分量も多く詳しいのは自然と環境の放逐だそうだ。アメリカも天然ガスの採掘、水ビジネスによる地下水過剰汲み上げ。人間の歴史の裏側は自然と人間の略奪だが、今の時代は何を考えるという複眼的視点の問題。
社会学者 大澤真幸氏が紹介する「日本の右傾化ー塚田穂高著」
右傾化が進行していることはまぎれもない事実。ネットにあふれるレイシズム、路上でのヘイトスピーチ、日本スゴイの氾濫、保守的な法律改正・・・。
しかし、本書では意識調査を見る限り市民・有権者は右傾化は示しておらず、改憲支持者は13年前の方が多かったらそうだ。この矛盾はどこにあるのか。右傾化の根が浅いのではなく、無意識の右傾化が進捗している。右という自覚なく、その人の行動・消費は右を指している。この意識と行動の間のねじれこそ、現代の右傾化を下支えしている。
文芸評論家 陣野俊史氏は「月の満ち欠け 佐藤正午著」。
突然の事故などによって、この世に愛する人を残し、拭いきれない愛情をひきずって亡くなった人たちの思いが生まれ変わりの人々の中に転移する物語。作者自身も無茶な話しと認めたうえで、この荒唐無稽な小説を書く佐藤正午は並みの作家ではない、という紹介。タイトルの「月の満ち欠け」は思いは途絶えては受け継がれる、という内容のままの言葉。彼の正確無比な筆づかいにより、言葉は音楽のように小説の中で鳴り響く。彼は楽器の特性をよく知った演奏家だそうだ。
同志社大 服部茂幸氏の「グローバル資本主義と<放逐>の論理ーサスキア・サッセン著。」の紹介。
格差拡大と中間階級の没落は今のアメリカも日本も中国も同じ。ケインズ時代のシステムの末端は包摂の空間、現在は放逐の空間。生産から遊離した金融は貧困層を放逐した。本書で分量も多く詳しいのは自然と環境の放逐だそうだ。アメリカも天然ガスの採掘、水ビジネスによる地下水過剰汲み上げ。人間の歴史の裏側は自然と人間の略奪だが、今の時代は何を考えるという複眼的視点の問題。
社会学者 大澤真幸氏が紹介する「日本の右傾化ー塚田穂高著」
右傾化が進行していることはまぎれもない事実。ネットにあふれるレイシズム、路上でのヘイトスピーチ、日本スゴイの氾濫、保守的な法律改正・・・。
しかし、本書では意識調査を見る限り市民・有権者は右傾化は示しておらず、改憲支持者は13年前の方が多かったらそうだ。この矛盾はどこにあるのか。右傾化の根が浅いのではなく、無意識の右傾化が進捗している。右という自覚なく、その人の行動・消費は右を指している。この意識と行動の間のねじれこそ、現代の右傾化を下支えしている。
文芸評論家 陣野俊史氏は「月の満ち欠け 佐藤正午著」。
突然の事故などによって、この世に愛する人を残し、拭いきれない愛情をひきずって亡くなった人たちの思いが生まれ変わりの人々の中に転移する物語。作者自身も無茶な話しと認めたうえで、この荒唐無稽な小説を書く佐藤正午は並みの作家ではない、という紹介。タイトルの「月の満ち欠け」は思いは途絶えては受け継がれる、という内容のままの言葉。彼の正確無比な筆づかいにより、言葉は音楽のように小説の中で鳴り響く。彼は楽器の特性をよく知った演奏家だそうだ。
by leporello1
| 2017-05-21 13:50
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