2011年 03月 23日
スマートシティ建設のため、今、どんな取り組みがなされているか。 |
お客様1軒あたりの年間事故停電時間の国際比較
※アメリカ、フランスは災害による停電を除く
出典:電気事業連合会
グラフで見る限り、日本の停電時間は圧倒的に少なく、アメリカの2割以下です。
そのため、日本では、スマートグリッドは再生エネルギーの導入推進の役割を果たすのみ、と見なされていたようです。
しかし、今回の東日本震災の経験から、日常、いかに節電し、停電に備えるかが重要となると思います。
スマートグリッド構想はもとより、電力需要だけがテーマではない、重要な次世代課題ですが、とりあえず、現在、日本では「スマート・グリッド・シティ」について、どのような取り組みがなされているかを調べてみました。
地域エネルギーマネジメントシステムの実証実験
住宅向けの小型蓄電池の開発支援と、実際に蓄電池を配置した際に電力の需給調整ができるかどうかを実験する取り組み。
太陽光発電や風力発電など、新エネルギーによる発電設備は増えているが、天候や時間帯に発電量が左右され、安定的な電力供給が難しい。そのため、蓄電池が不可欠だとされている。
現在、大規模風力発電設備にはナトリウム硫黄電池(NAS電池)が使われているが、装置が大がかりで、細かな充放電には向かないため、住宅用として新たな蓄電池の開発が求められている。
スマートメーター
需要家と電力会社との間で双方向通信が可能な、電力の「見える化」のためのシステム。需要家の消費電力や太陽光発電などによる発電量がリアルタイムに把握でき、そのデータを送配電網を通じて、電力会社に送信することも可能。
また、住宅やオフィス内の家電・設備機器と無線通信でつながっており、そのON/OFFや状態、送配電量の調整を、電力会社側から制御できる。
スマートメーターの設置が世界で最も進んでいるといわれるイタリアでは、同国の大手電力会社エネルが主導で、全世帯の約85%にスマートメーターが設置された。米国の調査会社の報告では、スマートメーターの世界市場は2009年に7,600万台だったが、2014~15年頃にはおよそ3倍の2億1,200万台に達すると予測されている。
参入企業:日立製作所、大崎電気工業、メガチップス、東光電気など
超電導ケーブル
冷却することで電気抵抗がゼロになる性質をもつ物質を利用したケーブル。
ケーブルを冷却して送電を行うことで、送電の際の電力ロスがなくなり、省エネ・CO2削減に貢献する、とされている。
住友電気工業は、東京電力と共同でNEDOの「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」に参画しており、平成22年度より、日本で初めて高温超電導ケーブルを電力系統に連系する実証実験を行う。
参入企業:住友電気工業、古河電気工業、昭和電線など
デマンド・コントロール(デマンド管理)
最大需要電力(デマンドの最大値)を予測するシステム。
電気料金のうち、基本料金は契約電力(契約上使用できる最大電力)によって決定される。
契約電力は、30分ごとに計測される需要電力量の平均値のうち、最大値(最大デマンド)が適用される。
30分の中である一定の需要電力値を超えないように、需要電力を計測し、警報などで需要家に知らせる仕組みが「デマンド・コントロール」。
これにより、基本料金を抑えることができる。
参入企業:三菱電機、富士電機、日本風力開発、大崎電気工業など
スマートオアシス
スマートオアシスは、電気自動車(EV)充電スタンドを利用したサービス。
充電スタンドの位置情報や空き情報を、携帯や無線LANを使い、リアルタイムで知ることができる。
また、各充電スタンドでの充電状況や課金状況、障害発生状況を監視することができる。
参入企業:日本ユニシスなど
マイクログリッド
マイクログリッドは、複数の小規模な発電施設で発電した電力を、その地域内で利用する仕組み。
分散型電源や分散型電力網とも呼ばれる。エネルギー供給源としては、新エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、燃料電池)が利用され、蓄電池も設置される。これらの発電施設を地域内に作り、更にネットワーク化して連結。
新エネルギーは一般的に出力が安定しないという欠点があるが、複数の発電所を用い、電力需要にあわせて最適制御を行うことで、需給バランスを調整し、安定的に電力を供給することができる。
更に、建設費用が安価で、送電によるエネルギーロスが少ないというメリットがある。
その反面、実用化にはコスト面の問題が残る。特に蓄電池はまだコストが高く、更なる高性能化・長寿命化も求められている。
2003~2007年度には、愛知県常滑市・青森県八戸市・京都府京丹後市でマイクログリッドの実証実験が行われた。
常滑市の場合は太陽光発電と燃料電池、二次電池によって構成されたプラントを利用しており、2日間の独立運転に成功している。
現在は、鹿児島県や沖縄県の離島で、マイクログリッドの実証実験が行われ、その系統安定化対策についての検証が進んでいる。
スマートシティ
スマートシティとは、ITを活用し電力供給の最適化するスマートグリッド技術を導入し、再生可能エネルギーを用いた分散型発電システムや電気自動車の充電システム、高効率な空調装置を用いたビル・住宅などの都市システムが結合され、CO2排出量が少なく、環境負荷の低い社会インフラが整備された次世代都市のことをいう。
BEMS(Building Energy Management System)
情報技術を駆使して業務用ビルなどのエネルギーを管理するシステム。
ビルなどの建築物において、各種設備のエネルギー使用状況を把握し、制御することで、ビル内の快適な環境を維持しながら省エネを推進することができる。
ビルの建設~解体までの全期間にかかる建設や改修、運用などの経費のうち、運営維持に要する費用は全体の75~80%を占めると言われており、BEMSによる省エネ効果は大きいと考えられる。
また、将来的には、情報通信技術と組み合わせることで、ビル群を一括管理する統合的BEMSに拡大するとも予測されている。
HEMS(Home Energy Management System)
家庭内のエネルギー管理を行う「家庭版BEMS」。
家電製品や給湯機器をネットワークでつなぎ、自動制御する。
需要家に対して省エネを喚起したり、各機器の使用量を制限することでエネルギー消費量を抑制したりすることができる。
以上、経済産業省のスマートグリッドの取り組みから
http://www.kankyo-business.jp/topix/smartgrid_01.html
via 環境ビジネス.jp
**ここからはボクのノートから、スマートグリッドのクリップです。**
http://www.lohasclub.org/300/308_6.html
LOHAS EYE "スマートグリッド"はボールダーから
2009年9月
“スマートグリッド ”は、ボールダーから
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090707/165572/
いよいよ動き出す「日本版スマートグリッド」
2009年07月07日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20091110/194451/
柏木孝夫:日米欧が競うエネルギーインフラのスマート化戦略とは
2009年11月10日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100408/220091/
スマートグリッドに照準
2010年04月08日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100412/220698/
「スマートグリッド関連の技術は、水分野にも役に立つ」、IBM社が語る
IBM社,Big Green Innovations Unit,CTOのPeter Williams氏
2010年4月12日
http://www.nikkan.co.jp/toku/smartglid/sg0820-32-04ps.html
地方発・スマートコミュニティーの胎動【2010年8月20日付32面】
(4)蓄電池活用し街づくり
2010年8月20日
CEATEC2010スマートグリッド3Dシアター説明
※アメリカ、フランスは災害による停電を除く
出典:電気事業連合会
グラフで見る限り、日本の停電時間は圧倒的に少なく、アメリカの2割以下です。
そのため、日本では、スマートグリッドは再生エネルギーの導入推進の役割を果たすのみ、と見なされていたようです。
しかし、今回の東日本震災の経験から、日常、いかに節電し、停電に備えるかが重要となると思います。
スマートグリッド構想はもとより、電力需要だけがテーマではない、重要な次世代課題ですが、とりあえず、現在、日本では「スマート・グリッド・シティ」について、どのような取り組みがなされているかを調べてみました。
地域エネルギーマネジメントシステムの実証実験
住宅向けの小型蓄電池の開発支援と、実際に蓄電池を配置した際に電力の需給調整ができるかどうかを実験する取り組み。
太陽光発電や風力発電など、新エネルギーによる発電設備は増えているが、天候や時間帯に発電量が左右され、安定的な電力供給が難しい。そのため、蓄電池が不可欠だとされている。
現在、大規模風力発電設備にはナトリウム硫黄電池(NAS電池)が使われているが、装置が大がかりで、細かな充放電には向かないため、住宅用として新たな蓄電池の開発が求められている。
スマートメーター
需要家と電力会社との間で双方向通信が可能な、電力の「見える化」のためのシステム。需要家の消費電力や太陽光発電などによる発電量がリアルタイムに把握でき、そのデータを送配電網を通じて、電力会社に送信することも可能。
また、住宅やオフィス内の家電・設備機器と無線通信でつながっており、そのON/OFFや状態、送配電量の調整を、電力会社側から制御できる。
スマートメーターの設置が世界で最も進んでいるといわれるイタリアでは、同国の大手電力会社エネルが主導で、全世帯の約85%にスマートメーターが設置された。米国の調査会社の報告では、スマートメーターの世界市場は2009年に7,600万台だったが、2014~15年頃にはおよそ3倍の2億1,200万台に達すると予測されている。
参入企業:日立製作所、大崎電気工業、メガチップス、東光電気など
超電導ケーブル
冷却することで電気抵抗がゼロになる性質をもつ物質を利用したケーブル。
ケーブルを冷却して送電を行うことで、送電の際の電力ロスがなくなり、省エネ・CO2削減に貢献する、とされている。
住友電気工業は、東京電力と共同でNEDOの「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」に参画しており、平成22年度より、日本で初めて高温超電導ケーブルを電力系統に連系する実証実験を行う。
参入企業:住友電気工業、古河電気工業、昭和電線など
デマンド・コントロール(デマンド管理)
最大需要電力(デマンドの最大値)を予測するシステム。
電気料金のうち、基本料金は契約電力(契約上使用できる最大電力)によって決定される。
契約電力は、30分ごとに計測される需要電力量の平均値のうち、最大値(最大デマンド)が適用される。
30分の中である一定の需要電力値を超えないように、需要電力を計測し、警報などで需要家に知らせる仕組みが「デマンド・コントロール」。
これにより、基本料金を抑えることができる。
参入企業:三菱電機、富士電機、日本風力開発、大崎電気工業など
スマートオアシス
スマートオアシスは、電気自動車(EV)充電スタンドを利用したサービス。
充電スタンドの位置情報や空き情報を、携帯や無線LANを使い、リアルタイムで知ることができる。
また、各充電スタンドでの充電状況や課金状況、障害発生状況を監視することができる。
参入企業:日本ユニシスなど
マイクログリッド
マイクログリッドは、複数の小規模な発電施設で発電した電力を、その地域内で利用する仕組み。
分散型電源や分散型電力網とも呼ばれる。エネルギー供給源としては、新エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、燃料電池)が利用され、蓄電池も設置される。これらの発電施設を地域内に作り、更にネットワーク化して連結。
新エネルギーは一般的に出力が安定しないという欠点があるが、複数の発電所を用い、電力需要にあわせて最適制御を行うことで、需給バランスを調整し、安定的に電力を供給することができる。
更に、建設費用が安価で、送電によるエネルギーロスが少ないというメリットがある。
その反面、実用化にはコスト面の問題が残る。特に蓄電池はまだコストが高く、更なる高性能化・長寿命化も求められている。
2003~2007年度には、愛知県常滑市・青森県八戸市・京都府京丹後市でマイクログリッドの実証実験が行われた。
常滑市の場合は太陽光発電と燃料電池、二次電池によって構成されたプラントを利用しており、2日間の独立運転に成功している。
現在は、鹿児島県や沖縄県の離島で、マイクログリッドの実証実験が行われ、その系統安定化対策についての検証が進んでいる。
スマートシティ
スマートシティとは、ITを活用し電力供給の最適化するスマートグリッド技術を導入し、再生可能エネルギーを用いた分散型発電システムや電気自動車の充電システム、高効率な空調装置を用いたビル・住宅などの都市システムが結合され、CO2排出量が少なく、環境負荷の低い社会インフラが整備された次世代都市のことをいう。
BEMS(Building Energy Management System)
情報技術を駆使して業務用ビルなどのエネルギーを管理するシステム。
ビルなどの建築物において、各種設備のエネルギー使用状況を把握し、制御することで、ビル内の快適な環境を維持しながら省エネを推進することができる。
ビルの建設~解体までの全期間にかかる建設や改修、運用などの経費のうち、運営維持に要する費用は全体の75~80%を占めると言われており、BEMSによる省エネ効果は大きいと考えられる。
また、将来的には、情報通信技術と組み合わせることで、ビル群を一括管理する統合的BEMSに拡大するとも予測されている。
HEMS(Home Energy Management System)
家庭内のエネルギー管理を行う「家庭版BEMS」。
家電製品や給湯機器をネットワークでつなぎ、自動制御する。
需要家に対して省エネを喚起したり、各機器の使用量を制限することでエネルギー消費量を抑制したりすることができる。
以上、経済産業省のスマートグリッドの取り組みから
http://www.kankyo-business.jp/topix/smartgrid_01.html
via 環境ビジネス.jp
**ここからはボクのノートから、スマートグリッドのクリップです。**
http://www.lohasclub.org/300/308_6.html
LOHAS EYE "スマートグリッド"はボールダーから
2009年9月
“スマートグリッド ”は、ボールダーから
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090707/165572/
いよいよ動き出す「日本版スマートグリッド」
2009年07月07日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20091110/194451/
柏木孝夫:日米欧が競うエネルギーインフラのスマート化戦略とは
2009年11月10日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100408/220091/
スマートグリッドに照準
2010年04月08日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100412/220698/
「スマートグリッド関連の技術は、水分野にも役に立つ」、IBM社が語る
IBM社,Big Green Innovations Unit,CTOのPeter Williams氏
2010年4月12日
http://www.nikkan.co.jp/toku/smartglid/sg0820-32-04ps.html
地方発・スマートコミュニティーの胎動【2010年8月20日付32面】
(4)蓄電池活用し街づくり
2010年8月20日
CEATEC2010スマートグリッド3Dシアター説明
by leporello1
| 2011-03-23 21:55
| news & article
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